高尿酸血症・痛風とは

 尿酸の原料はプリン体と呼ばれ、いろんな食品や細胞の核に含まれています。尿酸値が上昇する理由は、肝臓で尿酸を作りすぎる場合と、腎臓から尿酸が排泄されにくくなる場合に起こります。尿酸を作り過ぎる原因としては、プリン体を多く含む食品を食べ過ぎたり、細胞の新陳代謝が高まったとき、さらには飲酒の影響やもともとの個人差により、肝臓で尿酸が多く作られます。尿中への排泄量が減少する原因としては、腎臓の機能の個人差や過度の飲酒、その他の病的な理由があげられます。ですから、もともと尿酸が高くなりやすい方は、肝臓や腎臓にある一定の状態があると考えられます。
 つまり高尿酸血症という病気は、尿酸の作りすぎ、尿中への排泄の減少、あるいはその両方が原因となって起こります。これに影響を与える生活習慣として重要なものは、飲酒や過食であり、肥満があると更に助長します。他にストレスなどの影響も考えられます。このように、高尿酸血症は生活習慣病のひとつです。

合併症

高尿酸血症、特に血清尿酸値が8.0mg/dLを超える状態で治療せずに長期間放置したり、治療の中断があると、様々な病気(合併症)を引き起こすと言われています。
1. 痛風発作の原因になります。
2. 尿路結石ができたり、さらには腎障害の原因にもなります。
3. 糖尿病や高脂血症、高血圧症などとも合併しやすい生活習慣病です。
4. これらの生活習慣病は、動脈硬化症の原因となり、心血管系の疾患をひきおこします。
 

◇治療のガイドライン

高尿酸血症の治療

 未だ痛風発作を経験していない高尿酸血症の場合、つい病気であることを忘れてしまいます。治療もせず放置しますと痛風合併症の原因になりますので、早い時期からの治療に心がけて下さい。
1) 血清尿酸値7.0〜8.0mg/dLの方
 痛風や高尿酸血症でも、血清尿酸値が7.0〜8.0mg/dLの患者さんは食事療法だけでコントロールができますが、酸性尿(尿のpHが6.0以下)の場合は尿酸が体内で沈着するのを防ぐ意味で尿量を増やしたり、尿のアルカリ化による「尿路管理」が必要になります。
 血清尿酸値が高くなると尿中への尿酸排泄量も増えて、尿酸結晶の沈着による腎機能への悪影響が心配されます。そして、高尿酸血症の患者さんは、酸性尿(pH6.0以下)を示す頻度が高く、ウラリット(尿のアルカリ化剤)による治療が必要です。合併症としての腎機能障害、尿路結石を起こさないための「尿路管理」がこの時期から必要となります。
  2) 血清尿酸値8.0mg/dL以上の方
 食事療法などの生活習慣の改善をしても血清尿酸値が8.0mg/dL以上の場合は、血清尿酸値を下げる薬での治療が考慮されます。血清尿酸値を下げる薬には2種類あり、尿酸が上昇する原因により使い分けられます。尿酸が上昇する原因は、尿中尿酸/尿中クレアチニンを測定することによりわかります
1. 尿酸が排泄されにくいタイプ   ・・ 尿中尿酸/尿中クレアチニン<0.4
2. 尿酸が作り出されやすいタイプ  ・・ 尿中尿酸/尿中クレアチニン>0.6
3. 1と2の両方のタイプ
があります。それぞれ内服薬が異なります。
1.には、尿酸を排泄を促す薬  ・ユリノーム+ウラリット(尿のアルカリ化剤)
2.には、尿酸の産生を抑える薬 ・プロデック
3.には、1と2の薬を併用することがあります
 

痛風発作 に対する治療

 痛風発作は、前兆期、発作期、消退期、間欠期に分けられ、各々の段階で使用する薬が異なります。指示に従って正しい治療を行う必要があります。
前兆期:コルヒチン
 痛風発作(痛み)は、主に下肢、それも親ゆびの付け根の関節におきやすく、人によっては直前にむずむずする、ぴりぴりする、違和感などの前兆と呼ばれる症状を自覚する場合があり、これは過去に痛風発作を経験した人ほど自覚されやすいと言われます。コルヒチンという薬は、この時期に飲む薬で、発作を予防または軽減する目的で使われます。いざ激痛が起こってしまってからではあまり効かないので、前兆がはっきり自覚できた時だけ飲むようにしましょう。
発作期:消炎鎮痛剤の大量療法
 発作期は痛みをとる治療が第一優先されます。使われる鎮痛剤(非ステロイド性抗炎症剤)は、1回に通常の2〜3倍量が処方されることがあり、3時間以上あけて1日3回まで、数日限りの内服で様子をみます。
間欠期:尿酸降下薬
 痛みも炎症も治まったこの時期を間欠期といい、この時期にこそ放置せずに血清尿酸値をコントロールする必要があります。血清尿酸値を下げる薬には2種類あり、尿酸が上昇する原因により使い分けられます。
● 血清尿酸値を下げる薬を飲んでいると、薬の効果で血清尿酸値は正常範囲に戻ります。症状がないからといって薬を飲むことを止めたり、勝手に薬の量を減らしたりすると血清尿酸値はすぐに高くなり、ふたたび痛風発作を起こすことに繋がります。高尿酸血症の治療は主治医の指示に従って根気よく続けることが必要です。また、肝障害、血球減少、皮膚炎などの副作用もありますので、定期的な診療と血液検査は必ず受けて下さい。